ころすけ日記

ころすけの雑記です。新人銀行員ころすけでTwitterやってます。

飲食業・レストラン 審査のポイント

金融機関に勤めているので、自分の経験ときんざいの本に載っている情報をまとめていこうと思います。

まだ新人なので、自分の経験をこのブログに還元できることは少ないですけど。

ほとんどきんざいのことをそのまま写すだけになるものもあると思いますけど、ご了承ください。

新しく学んだこと、経験したことをここに追記していくつもりです。

 

飲食業・レストランでの審査のポイント

 

 

審査の着眼点

商品力・・・提供している商品、すなわちメニューは味・価格で顧客の期待を満たし、周辺同業者に比べて優位性を有しているか

店舗力・・・店舗の外装、内装、照明看板、接客部分の装飾、卓、椅子、厨房設備等は、顧客に清潔感や快適性の満足感をもたらし、かつ誘引力のあるものになっているか

計数管理・・・コストを把握したうえで店舗の目標を数値化、予算化できているか。また、その結果を検証して次の目標立案を行っているか。

財務体質・・・資本の安定性はどうか。借入金の金額は適切か。支払利息が過大となっていないか。

 

審査のポイント

1販売形態・条件

(1)販売方法・条件

顧客は不特定多数であるため、商品、サービスの提供後に現金で支払っていることがほとんど

*キャッシュレスは地道に進んでおり、クレジットカード払いやLINEpay・楽天Payなどの販売方法は多様化している。即現金が入ってくる訳ではない場合もあるので、これは確認するべき。

(2)支払い条件

一般的には掛仕入は30日程度で回収される。

 

2資金需要

設備投資は、出店・改装等の店舗開発投資が多い。居抜き物件を活用した出店ケースが増加し、イニシャルコストは減少傾向である。

*イニシャルコスト:技術開発費や機械設備導入費など,製品開発から製造開始までの当初にかかる費用初期費用初期投資

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土地は借地、建物はリースという場合が多いが、誘引力を高めるための内装・外装は数千万円の投資となり、所有者への保証金が必要になるケースも多い。近年見られる資金需要としては、顧客ニーズの把握のためのシステム関連投資や、セントラルキッチンの建設がある。

*セントラルキッチン:レストランチェーン店病院学校などの集団給食用の集中調理施設

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3財務諸表の見方

・レストランの決算書の見方としては、売上高、収益性、安全性、効率性の各指標を算出、確認し、決算期ごとに比較する。あるいは、他店舗と比較するという一般的な方法でよい。

・飲食店のコストの見方としては、家賃を売上高の10%以内、原価と人件費の合計を売上の60%以内で抑えることが望ましい。

当座比率は100%以上、流動比率は130%以上であることが一般的には望ましい。

・専門料理店は、ストアコンセプトが確率できている店舗では付加価値額に該当する売上総利益率が高くなる。ただし、特殊な技術をもつシェフやハイレベルなサービスを実施する従業者、店舗の高級感を維持、管理するための費用もかかるため、販売費・一般管理費率が高くなる傾向がある。

自己資本比率は30%前後で推移しており、借入金に依存する企業・店舗が多い。

・飲食店全般にいえることであるが、売上高を意図的に削除する等で比較的容易に粉飾決算が行われることも意識しておきたい。

・粉飾の見抜きかたとしては、決算ごとに経営指標分析を行い、大きく変化した指標があれば、それを追究するなどの方法がある。

 

キャッシュフロー分析

(1)業種によるキャッシュフローの特徴

レストランは棚卸資産(在庫)をあまりもたないことから、営業キャッシュフローを悪化させる要因は少ないが、掛売の多い店舗については、売掛金キャッシュフローを悪化させる原因となるため注意を要する。

(2)キャッシュフローのチェック

営業キャッシュフローがプラスであることを確認したい。営業活動によるキャッシュインを店舗の改装、設備の更新といった投資活動、または借入金の返済に充当できているかという点も確認する。

 

*参考文献「第13次業種別審査事典 第6巻」一般社団法人金融財政事情研究会

 

飲食店は馴染みもあるし、一見審査するうえでは簡単そうですが、商品力については実際にその提供されているメニューを食べてみないと分からないですし、食べてみても分からない場合があります。主観に頼る部分が多いので融資するにも判断が難しい場合があります。